39パフ ー僕の風を追いかけてー

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パフの香りに 胸がふるえる。


眼を閉じたジェイは 飛びついてきたパフに抱きしめられたままじっとしていた。

どうしてパフは こんなにいい香りがするのだろう。

 

今まであるとも思わなかった 言葉にできない感情が揺れる。
切なさのような 懐かしさのような。

だけど僕は 今まで何かを「懐かしい」と思ったことなどないのだ。

 

 

「!」


パフが弾かれたように 巻きつけた腕を離して身を引いた。

嬉しさのあまり情熱的に抱きついた自分に気づいて びっくりしたらしい。

「ご、ごめんなさい」

 

赤くなって謝るパフを まじまじと見つめたジェイは
彼女のウエストへ腕を回して 退こうとするパフを抱き止めた。

「ジェイ」

「どうして謝る」
「ぇ・・?」

「君は なにを謝っているんだ?」

「それは ぁの・・。 私ったら 馴れ馴れしく抱きついたりして」
「馴れ馴れしい?」
「ぇ?  ええ・・」
「どうして?」

「ぇ」

 

君は 僕と婚約して 抱きつくどころかベッドインした間柄だ。

「いきなりでも 僕に抱きつくことに遠慮する必要はないだろう?」

「それは・・そうだけど」
「だけど?」
「だけど・・分からない。 とにかく何か いけないような気がしたの」

「・・・」

 


ジェイはゆっくり すくいあげるようにパフの身体を抱き寄せた。

パフの胸へ顔を埋める。 パフは僕を拒まない。 けれど
今のように パフのほうから僕に抱きついて来ることはなかった。


「恋人じゃない からだろうな」

「?」


「僕は 君が夢に見続けた“運命に呼ばれた”恋人じゃない」
「それは・・」
「利害関係とコン・チャン・リーが 君と 僕を引き合わせたから」

「・・・ぇぇ」

「・・・」

 


ジェイはいきなり立ち上がり パフの脇の下と膝の裏へ手を差し入れて抱き上げた。

焦れるような苛立ちと もどかしさに突き動かされていた。


「ジェイ?」

「ベッドへ行こう」
「ぇ」
「嫌か?」

「・・ぅうん」

 

おずおずとしたパフの手がジェイの肩を滑りあがり もう一度 首へ巻きついた。

ジェイは 薄い 硝子のような笑みを浮かべて寝室へ向かった。


——-

 


それでも パフは僕のものだ。

パフが海へ落とした帽子を 拾うことは出来なかったけれど。


僕は パフを護ってやるし うんと大事にもしてやる。
パフだって 僕と仲のいい夫婦になりたいと言っているんだから。

 

ジェイは下着を引き抜いて 足首を眼の高さまで持ち上げた。

すらりとしたふくらはぎを柔かく噛むと 驚いたパフが身を起こした。

 

「ジェイ・・」

「大丈夫。 優しくする」


膝から 腿の内側へ 唇で噛みながらすべり上がる。

ジェイのもくろみに気づいたパフが うろたえて逃げようとするのを
がっちり押さえ込んだジェイは 両脚の間へ顔を埋めた。

 

・・・・だめ・・・・

「だめじゃない」

 

ジェイはパフの扉を指で開けて 柔らかな内側へ舌を挿した。
小さな悲鳴をあげるパフを 尻たぶをつかんで制止する。

指先と舌が動くうちに パフの鳴き声が甘く変わると

ジェイは嬉しげに眼を上げて パフの恍惚をうっとりと見た。

 

・・・ぁ・・・・・・

「パフ」


指を奥まで挿し入れる。 パフの背中が弓形に反った。

ゆっくり引いては挿し入れることを繰り返すと 中がどんどん潤んでくる。
水音がするほど責め続けるうちに パフの身体がバウンドして内側が熱く痙攣した。

 


ジェイは脚の間からすべり上がって パフをしっかり抱きしめた。

乱れた息をするパフの 耳たぶにピアスが小さく光る。


ジェイの口元がほころびた。  これを 気に入っているんだな。

 


ジェイはピアスにそっとキスをして 唇をうなじへすべらせた。

胸まで下がって乳首を口に含み 片手をもう一度 脚の間へ伸ばすと
いやいやをするように身じろぎをして パフがジェイの手を拒んだ。

 

「どうして?」

「・・・」

「乱暴には しなかっただろう?」
「ぇぇ」
「良くしてやる。 君は僕にまかせて ただ感じていればいい」

「でも・・」

 

 

パフが湯気が出そうに赤くなった顔を ジェイの肩先へ押しつけた。

ジェイはパフを抱きしめて なめらかな背中を優しく撫でた。


「どうした?」

「・・だって・・・」

 


ぴったり抱き合う2人の間に 硬くなったジェイのものがあった。

パフはもじもじと腰を動かして 下腹部でジェイのそれを撫でた。


「・・こういうのは2人で・・」


パフは 額をジェイの肩につけて ねぇというように揺さぶる。

肩先へ埋まってしまったパフを覗きこんで ジェイの口の端が上がった。


「パフ?」

「・・・」 

 

ジェイの笑みが大きくなった。 パフは なんて可愛いのだろう。

パフの脚を 膝で開ける。 片手で腿を抱え込むと 大きく腰を泳がせて
硬くいきりたったものを 熱く濡れた道の奥まで突き入れた。

 

 

パフが 甘い声で鳴いて しなやかな身体を大きく反らした。

ジェイはパフを貫いたまま身体を起こすと ベッドの上へあぐらをかいた。

抱き上げられたパフは 自らの重さでさらに深く突き上げられて
痛むほどの快感に 涙目になってジェイに抱きついた。


恍惚の余韻が残るパフの内側は 感じやすくなっているのだろう。

ジェイが猛りで揺すり上げると いともたやすく絶頂を超える。


ジェイは背中をそらすパフを支えて 花束のように抱きしめた。
揺らすたびにこぼれる声を聞くと ジェイはますます硬くなった。

パフが 小さな悲鳴を上げる。 

その声で綱を解かれたように ジェイも続いて頂きに達した。


———

 


互いに祈るように額を合わせて 2人は弾んだ息をしていた。

パフが身体を寄せてくる。 
ジェイは小さく眉を上げて 腕の中へパフを包み込んだ。


頬ずりでパフの顔を上げさせて 鼻先と唇へキスをする。

ジェイが 下唇を噛んでそっと引くと 驚いたパフが顔を引いた。

 

「パフ」

「ぇ・・?」


「僕に抱かれるのは 好きか?」
「!」

 

言った途端にジェイは 自分が言い間違えたことに気づく。

本当はこう聞きたかったのだ。

 

“君は 少しでも僕を好きか?”

 


パフは眼をまじまじと見開き それからみるみる頬を染めた。

「抱・・す・・好きかって。 そんな・・・」


「・・・」

「ぃ・・・や・・じゃないけど・・」
「!」

 

火のようにパフが赤くなった 耳に笛が付いていたらピーと鳴り出したことだろう。

馬鹿馬鹿しいほど嬉しくなって ジェイはパフを抱きしめた。

 

答えは 「いやじゃない」だったけれど
パフは耳まで真っ赤になって もう少しゲージが高いと答えた。

ジェイの胸が温まった。

 

「それならいい」

「なによ!それ? “それならいい”って!」
「僕も 君を抱くのは好きだ」
「!」

 

 


言った途端に またしてもジェイは言葉を間違えた気持ちになった。


でもその先を考えるより 今は パフにキスがしたかった。

 


 

11 Comments

  1. 自分ではわかっていないけど、パフに恋焦がれているジェイ。
    恋焦がれる気持ちは知っているけど、まだそうなっていないパフ。
    確かにお互い思い合って仲は良いけれど、微妙にすれ違っていますね。
    自分の気持ちを表現する言葉を知らないジェイを、パフがわかってくれたらいいなぁ。
    上手に言葉にできないことを態度で示せたらいいけど、オレ様ジェイはそれもなんだかあぶないしなぁ。
    それでも、自分が言葉を間違えてるって気がつくようになっただけでも、ジェイはすごい進歩ですね。
    山あり谷ありの二人の可愛い恋模様が楽しみです。

  2. ボニさん、嬉しいアップを有難うございます^^
    このところ読み逃げばかりで本当にすみません。
    やっと落ち着き、4~5回前からをゆっくり読み直しています。
    本当にこの2人ったら・・・
    お互いを大好きなくせに言葉で言えなくて・・すれ違って。
    ジェイはパフが利害関係で自分に身を任せたと
    まだ思い込んでいるんですものね~^^;
    デジタル人間のジェイがどんどんアナログ化してきて
    人の感情があふれてきているのもいいですね~~
    第一、自分が本当に言いたい言葉をしっかり分かってきている!
    早くパフも「貴方がすき」と言えるように願っています。
    アッ、そう言えたら終わっちゃうのかしら???
    じゃあ、もう少しのばしてください^^

  3. ボニ様
    「恋人じゃない からだろうな」ちょっと切ない言葉・・・
    仲のいい夫婦になれそうなのに・・・出発点が普通じゃないからね。まさか契約結婚の相手を、こんなに大好きになって
    身も心も引き込まれるなんてジェイ自身が信じられないだろうね。
    ”僕を好きだと一言でも言ってほしい”ジェイの気持ちが
    純粋な青年のようにまっすぐパフに伝わる事を祈っています。
    今はだれから見てもアツアツの婚約期間のお二人さんですよ。
    でも結婚式には二世が一緒だったりして!!!不思議じゃないくらいぞっこんのジェイ。しっかりパフを愛して、離れられない二人になってね。
    分けてもらいたいくらいの(笑)アツアツぶりがうらやまし~い(うふふ)観てるだけでも私も幸せです。
    いい週末をむかえなくっちゃね。❤
    待ってる間、読み返すの大好きです。いつもありがとうボニさん(*^_^*)

  4. パフ、ジェイに抱き付くのは初めてじゃないわよ! ジェイが「ホバートに住んでいい」って言った時も飛びついちゃったじゃあない~
    でもシチュエーションがだいぶ違うわね。
    駆け引きしてた時と違って、ジェイの思い以上に反応してるわよ。
    ボニさんの濡れ場ってサイコー!
    言葉の宝石が上品で、キラキラしっとりしてる。
    「薄い 硝子のような笑みを浮かべて…」パフの心に思いやりながらちょっとさびしくうれしく。
    「君は僕にまかせて…」っていうのに、一緒に行きたいって、パフ。 
    「祈るように額を合わせて…」う~ん、素敵!
    なんか昔の映画にあったような?! 二人が同世代のように見えてきます。
    言葉もだいぶ出てきましたね!
    待ったかいがありました。 

  5. 1週間と1日のご無沙汰です。どーも遅くなってすみません。
    いつも遊んでくれてありがとうございます!
    ●ふふふ yuchekkoさん 微妙にすれ違うのが楽しくてアタシ。
    >自分ではわかっていないけど、パフに恋焦がれているジェイ。
    >恋焦がれる気持ちは知っているけど、まだそうなっていないパフ。
    だけど ベッドではかなり熱心にやってる2人・・(--)
    >自分の気持ちを表現する言葉を知らないジェイを、パフがわかってくれたらいいなぁ。
    ジェイは はじめての恋という感情を体験している赤ん坊のようなモンですからねえ。

    ●あ、hiro305さんだいらっしゃーい! 読んでてくれたのね。
    こちらこそUP遅れてごめんなさい。
    あーでもないこーでもないと いじっちゃいました。
    >ジェイはパフが利害関係で自分に身を任せたと
    まだ思い込んでいるんですものね~^^;
    この2人 お互いに好きだし ポンポン会話もするしだけど
    もう婚約もして 結果にたどり着いちゃっていることもあって
    「あなたが好き」
    「君が好き」
    という基本的な意思確認を 怠ってしまってるんですよね。
    お互い気持ちが変わっているのに 始めの頃の 
    「私が決めることじゃない」「君でいい」という言葉から
    言葉を更新させていないために 段々 困ったちゃんな2人です。
    >早くパフも「貴方がすき」と言えるように願っています。
    アッ、そう言えたら終わっちゃうのかしら???
    じゃあ、もう少しのばしてください^^
    グズグズ書いてるので まだ伸びます(^^)v

    ●ホント bannbiさん。 恋に目覚めてきたジェイの冷静な(?)状況分析が切ない。
    >「恋人じゃない からだろうな」ちょっと切ない言葉・・・
    それで別にいいんだって思おうとしている。
    パフは僕のものなんだし それでいいと思いながら心が欲しい。
    >今はだれから見てもアツアツの婚約期間のお二人さんですよ。
    本当ですよねえ・・・
    新婚さんみたいにせっせと励んでおりますよねえ(--)
    >いい週末をむかえなくっちゃね。❤
    >待ってる間、読み返すの大好きです。いつもありがとうボニさん(*^_^*)
    うわ~ 嬉しいです。
    読み返してもらえてとても嬉しい! どうもありがとうございます。
    よい週末を お迎え下さいねー!

    ●そこだよnktotoro8ちゃん どうもありがとう。
    >パフ、ジェイに抱き付くのは初めてじゃないわよ! ジェイが「ホバートに住んでいい」って言った時も飛びついちゃったじゃあない~
    あー そこかあ。 そーだそーだ。
    「パフがジェイに抱きついた」ことって前にもあったよなあ・・と思いシーンを確認しようと思ったんだけど わかんなかったんですよー。
    >でもシチュエーションがだいぶ違うわね。
    そなんです。前はまだ 親密な感じで飛びついたのではない。
    「今のように パフのほうから僕に抱きついて」 来たこのシーン。
    パフは ソファに沈んだジェイの隣へすべり込んで話している姿勢から 抱きついてジェイがじっと抱かれるままにしている間ずっと抱きしめて 頬とか擦りつけちゃって。
     ・・もうすっかり恋人~な仕草よね。
    >「薄い 硝子のような笑みを浮かべて…」パフの心に思いやりながらちょっとさびしくうれしく。
    このシーンのジェイって ちょっと切ない。
    パフの心が欲しいと 心では感じているのに言えなくて。
    それでもパフは僕のものだと 確認したくて抱こうとする。
    知らないとはいえ 不器用な奴だ。
    >なんか昔の映画にあったような?! 
    ふふふ お気づきの方もいらっしゃるでしょうが
    今回の2人は 体位的には(?)某遠縁の方々の
    「あの場面」と「この場面」と「その場面」を妄想しつつ書いています。
    座ったまま彼女を抱えて揺すり上げるのと~ 
    祈るようにデコをくっつけるのと~
    あと1つはどこか お分かりですよね(^m^))
    あーもー こんなことして遊びながら新しいシーンを待ち続けて早何年だ?トホホ

  6. ボニちゃん今週もありがと。今日は雨、寒いです。
    心が少し暖かさを欲しがって。
    そしたら・・・・
    もう!ジェイもパフもエッチなんだから(#^.^#)
    心より身体がポッ!
    内容よりボニちゃんの表現に
    『成程!こんな感じに書くといいのか~』φ(..)メモメモ 
    すっかりお勉強させていただきました。
    >利害関係とコン・チャン・リー
    今はお互い、それだけで一緒に居るわけでは無いよな~
    と感じてる?

  7. 出掛ける前に 覗くワタシ・・
    ●あ、yonyonちゃん来てくれてたのね~ありがとー
    昨夜は風邪なのか頭が痛くて寝ちまった・・・
    >今日は雨、寒いです。
    こっちも雨でした。 寒い・・はずだけど 多分熱のあったアタシは暑かった。
    >もう!ジェイもパフもエッチなんだから(#^.^#)
    心より身体がポッ!
    若い2人ですからねえ(^^//) 言葉じゃない会話は饒舌っす。
    >『成程!こんな感じに書くといいのか~』φ(..)メモメモ 
    すっかりお勉強させていただきました。
    あっはっは! メモメモって。 また面白いの書いてください。
    自分なりのRシーンを書くのって難しいすね。
    夕刊紙の後ろ面にあるようなシーンにならないように
    け~っこう一所懸命考えてんのアタシ。
    言葉の無さが距離を作っちゃってる2人の恋ですが
    言葉の無いベッドの中では もうすっかり愛し合ってるよね。

  8. こんばんは。40話を楽しみにしつつ、遊びに来ました。
    2人とも、相手の事を好きだと言ってしまえば楽なのに・・・なかなか、言えませんね。このじれったさが、またいいんだけど、もどかしかったりもします。(;^_^A
    ジェイは最初からすれば、すごい進歩‼自分の伝えたい言葉、思いがわかるようになって、後は、パフに伝えるだけなんだけど、ハードルは高いのかな。運命の半身達、ファイティング‼

  9. ハルさん、ごめんなさいー!!
    40話、待ってくれてありがとう。 ホームにスレッドを立てましたが、
    身内に不幸がありまして、今週はお休みを頂きます。ごめんなさい!
    言葉が足りずにもどかしい2人を、じれじれのまま、もう少しまっててねー!

  10. 『お休みします』の方にコメント入れようとして、
    なんどもエラーが(;;)
    で、こちらに。すみません。
    ボニちゃん、御家族の方々に謹んでお悔やみ申し上げます。
    お疲れ様でした。
    きっと天国から感謝しながら、みなさんを見守って下さいますよ。
    笑顔で、元気に過ごすことが何よりの供養です。
    ご冥福をお祈りします。

  11. あ! ヨンヨンちゃんいらっしゃーい!
    ●わあyonyonちゃん 温かいご弔辞をありがとうございます!
    ごめんよー 投稿しにくくてここはねえ・・
    >笑顔で、元気に過ごすことが何よりの供養です。
    本当です。
    よく寝て、食べて、笑って、
    懸命に生きることが逝かれた者のなすべきことだ。
    なんちゃって・・タムドクしちゃった。
    「スジニへ・・」を書いていた時も義母の緩和ケア病棟に通う日々で あんなセリフになったんだろうなあと思うよ。
    ヨンヨンちゃんも だから遊ぼう笑おう!
    アタシ達にまだその時間があるうちに。

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